叫ぶ声がまた墜落した

黒が好き。
何にも染まらない強い色だから。



黒は安心の色。
真っ黒に汚れた僕を綺麗に隠してくれるから。
それでいいよ、と
大丈夫だよ、と言ってくれるから。



それなのにどうして僕は光を探すんだろう。
その光に触れることはできないのに。
触れてはいけないのに。


どうしてそこへ行こうとするのだろう。
光の中など歩けるわけもないのに。
焦がれた光に背を向けて僕は涙を拭う。



何にも染まらないのなら、光すらも通さなければいいのに。
暗闇でならこの傷も血も見ないフリができる。
ここでなら、君の笑った顔も知らないままでいれたのにね。





黒の君。
僕の身体も心もねえ、飲み込んでしまってよ。