美しい気持ちだけを残したいそんな気持ちを僕はあなたに持ちたい

これで終わりにしようと向かったあの場所。
そこに立っていたのは、新しく生まれ変わった背中だった。
マンネリに溺れて逃げ出そうとしていた僕を救ってくれた。
まだこんなもんじゃないんだ、と。
前に進むんだ、と言っていた背中。
それがただただ嬉しくて、僕はその背中に笑顔を添えた。
まだ見ていたい。
見守っていたい。
そう思わせてくれたことに、手を合わせた。
だけど。
僕が会いたかったそれには。
会えなかった。
きっともう二度と、会うことはできないんだと思い知らされた。
憧れ、尊敬、それはよく分かっていたつもりだった。
目指すものもそれと同じか、近いものなんだろうという事も。
だけどね。
それになってはいけない。
そうではなくて僕は、そのままでそこに近づいて欲しかった。
君達は同じではないんだから。
こんな風に思うのは僕だけかもしれないね。
でも、僕はそう思ってしまった今、あの場所でそれを見た僕は。
静かに涙を流すことしかできなかった。
もう会えない、思い出になってしまった過去を抱きしめることしかできなかった。


僕は、変われない。
変わりたいのか、諦めたいのか、逃げたいのか。
答えは出てるのかな?
気づかないフリしてるだけなのかな?


ひとつだけ聞きたいことがあるよ。
ひとつだけ言いたいことがあるよ。
それを聞けたら、それを言えたら、僕も何かが変わるのかな。