HOPE

小さく漏れる光さえ見えないような夜空の下をひとり歩く
ひとつずつ消えていく灯りと笑い声
その度に風が冷たさを増して頬を掠める
それがとても淋しくて切なくて胸が痛くて
でも どこかほっとして
温かな雫が溢れて流れおちては跡形もなく散っていく
だんだんと濃くしていく闇はどんな姿さえ覆い隠してくれるから
真っ黒に染まったこの心さえ同化して分からなくしてくれるから
いつだってここでなら安心して黒く染まった雫を零すことができるんだ
ヒカリを覆い尽くすこの闇が僕にとっては光で
儚く足元だけを照らしつける月が僕にとっての太陽で
目を閉じて身体を掠める風になったらどこへ辿り付けるかな
そこには何があるかな
そこに僕はいるかな
僕が愛したものはあるかな
僕がたったひとつ欲しい「それ」が あるといいな