ヨコは最高にカッコよかった。
松山公演、1部を見てきました。
ヨコは、「頑張る」を精一杯、頑張っていました。
ステージに出てきたヨコは、目も虚ろで瞼は腫れていて、頬もこけて、俯き加減で、目にかかる邪魔そうな前髪を払うこともない、正直、とてもステージに立てるような状態だとは思えなかった。
でも、ヨコは立ってた。
仕事だから。待ってる人達がいるから。
辛さだとかいろんなものを隠しきれてない顔で笑って、ぼーっとしていつもみたいに回らない頭でMCやコントをやって、振り切れない腕で会場を煽って。
とても失礼な言い方をします。痛々しかった。そんなヨコを見て泣いてしまった。
でも。
私はそれでよかった。十分だった。矛盾してるかもしれないけど、ありのままのヨコで、よかった。
ありのままのヨコを見る、と決めていたから。
そして会場でヨコを見て、こんな状態でも楽しませようとしてくれてる彼に出来ることなんてひとつしかなかった。
一緒に悲しんでくれることをヨコが望むかな？
自分のことでみんなが辛そうな顔をしているのを見てどう思うかな？
余計気にしたりするんじゃないかな？私の知ってるヨコはたぶん。
きっと、会場中が同じことを思っていたんだと思う。
すごく温かかったよ。すごく優しかったよ。
覇気のない低い声でぼーっと何度も同じことを繰り返し言ったりすることがあったけど、それでも笑わせてくれたヨコにみんな全力で笑ってた。
聞き流してしまいそうな一言だって聞き逃さなかった。
ありったけの思いを込めて、いっぱいヨコの名前を呼んでた。
オニギシに入る前、マイクを持って前に立ったヨコにもたくさんの声が届けられた。
「頑張れ！」っていう声に、小さい声で「頑張ってるよ〜」っておどけて答えて。
あの〜、えと〜、ん〜、ってなかなか切り出せない様子で始まって。
「心配してくれてる方もいらっしゃると思いますが…、まぁ、弟もいるし周りもいるし…、大丈夫です」
って前を向いてちゃんと言ってくれた。
時間が解決してくれると思うし、って言って、その後も何度も「大丈夫です」って言ってた。
全然大丈夫な顔なんかじゃなかったけど、私達を安心させるため、自分自身にも言い聞かせるためだったのかもしれない。何度も言ってくれた。
私達には大丈夫だと前を向いたヨコを、見守って応援していくことしかできないけど、その気持ちを込めてまた、たくさんの愛の声が会場に響いてた。
客席に背を向けて歌うオニギシ。途中、声が震えたり、途絶えることもあったけど、最後まで歌ってくれた。
そして、「ありがとう」をもらった。
アンコールで出てきてくれた時、少し顔がすっきりしていたように見えたかな。
まだ泣いてる会場を見渡して「なによ〜」みたいな、泣くなよ〜みたいにおどけて笑ったんだけど、その笑顔もさっきまでの無理はだいぶ消えていたように見えた。
アンコールのヨコはいつものヨコに近かった気がしたんだ。
2部でも元気を取り戻していたらしいので、こうしてここで話せたことで少しは気持ちがすっきりしたのかな、って勝手に思った。だったら私達がここに居た意味があったなって。
そうして始まったアンコールはもちろん盛り上がって一体感が増して、またヨコが「ホントに感謝してます！ありがとうございました！」って何度も言ってくれて。
その言葉にも、その時の笑顔にもこっちが助けられた気がした。
無理に笑ってなかったよ。あの時の会場に響いた声が、しっかりヨコに届いたんだと思えたよ。
ヨコも私達も、あの場で出来る最大のことをやれたんじゃないかな、って。
勝手にもそう思った。
ダブルアンコールも終えて、ホントの最後の笑顔は絶対忘れない。
ちゃんと聞こえたよ。「ありがとう」も「楽しかった」も。
笑ってくれて、ありがとう。
一緒に楽しんでくれて、ありがとう。
ステージに立ってくれて、ホントにありがとう。
大好きです。
最後に。
どんなに背伸びしても、前に立って立派な背中を見せようとも、本人も言っていたように貴方の前では永遠に子供です。
弱った時には変わらず、寄り添ってあげてください。
どうか、近くで変わらず見守ってあげていてください。
私なんかに言われなくてもわかってることだと思います。ごめんなさい。
失礼ついでにもうひとつ。
陰からで構いません。貴方には到底及びませんが、私達にも彼らを見守らせてください。
何度も力を元気を与えてくれた彼や、彼の大切な兄弟達の幸せを祈らせてください。
そして、彼の大切な貴方にも穏やかな時間が訪れますように。
心からの感謝を共に、ご冥福をお祈りいたします。
長々と読みづらい文章をここまで読んでくださった方、ありがとうございました。
あくまで私の主観です。感じ方は人それぞれでいいと思います。
ただ、これだけははっきり言っておきます。
来てよかった。ヨコに会えてよかった。言葉を聞けてよかった。
改めて、ありがとう。
